「月のはなかふぇ」過去の開催一覧

2018.12.26

高齢者を狙う悪質商法の手口と対処法など

講師:全国消費生活相談員協会 岩城 能子 氏

世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回は消費生活センターにお勤めの岩城さんの講演でした。高齢者の消費生活トラブル早期発見のために悪質商法のあらゆる手口を教えていただきました。まずは電話勧誘。インターネット回線、電話、健康食品、海産物など色んな勧誘があります。断る際に「結構です」という言葉や「今は時間がないので」という言葉を使ってしまいがちですが、そういった曖昧な態度は見せず、不要なものはきっぱりと断ることが必要です。「私は契約する気はありません」ときちんと言葉にしましょう。1回断っても再度勧誘をしてきた場合は消費生活センターで相談することも大切です。自宅に直接やってくる訪問購入もあります。不用品買い取りと名乗って自宅に入り込み、売るつもりのなかった貴金属や高価なものを買い取られてしまう手口です。売るつもりのない品物について勧誘されてしまったらきちんと断りましょう。
もし、電話勧誘販売や訪問販売で契約をしてしまった場合でも諦めないでください。クーリング・オフ制度を利用しましょう。クーリング・オフ制度とは、訪問販売など特定の取引の場合に、一定期間であれば無条件で契約を解除できる制度です。販売員などから強引な勧誘を受け、契約をしてしまった場合にも利用できます。手順としては、
①契約書面を受け取った日を含めて8日以外(例外もあります)に書面で通知します。
②ハガキに解除する契約の詳細を記入し、両面コピーをします。その際、コピーは大切に保管してください。
③ハガキは「特定記録郵便」か「簡易書留」で送ります。
④支払ったお金は全額返金されます。商品の引き取り料金は業者負担となります。クーリング・オフができる場合・期間などの詳しいことも消費生活センターで教えていただけます。8日を過ぎてしまっても可能な場合もあり、専門の相談員が問題の解決方法を探してくれるそうです。
まずは1人で悩んだり、泣き寝入りする前に相談することですね。後で言った、言わない、と水掛け論になることを避けるためにも書面で残しておくことが重要です。書類の不備が見つかる場合もあるので大切に保管しましょう。
世田谷区では6000件以上の消費生活相談があるそうです。一見多いようにも感じますが、実は相談件数としては少ないそうです。被害にあっても家族から怒られることを恐れて相談しない人が多いそうです。高齢者を見守る立場では、被害にあっても怒らないで話を聞いてあげることが必要ですね。悪質事業者は、高齢者の孤独感や不安感に付け込んで勧誘をします。昼間、家に1人でいることが多く、優しい言葉や親切な態度を信用して騙されやすかったり、情にもろく、強く勧められると断れないというところから被害にあってしまうようです。誰とも相談せずに契約をし、騙されたことに気づきにくいこともあるようです。被害にあわないためにも、早期発見、早期対応が鍵となってきます。日頃からコミュニケーションをとり、まずは異変がないか気づくこと(いつもと様子が違ったり、生活費が不足して節約をしていたり、不審な電話着信やカタログ、ダイレクトメールなどが大量に届いていないかなど)、そして声掛け。少しでも変化に気づいたらさりげなく「何か困っていませんか?」と声を掛けること。本人の気持ちを尊重しながら事情を聴くこと。そして、消費者被害にあっていた場合は消費生活センターへの相談につなぐことが出来ます。こうした周囲の心掛けがあるだけで救われる方がいるということを学びました。


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2018.11.28

年末の防犯について 3

講師:世田谷警察署 ふれあいあんしんポリス  佐伯 豊 氏

世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回は3度目となる佐伯さんによる年末防犯についての講演でした。世田谷区は詐欺の被害件数と被害金額がともに全国1位だそうです。被害金額に関しては現在6億円超え。昨年と比較して1億7000万円も増えてしまったようです。被害にあった人数は264人。これを見ると1人当たりの被害金額が大きいことが分かります。世田谷区は特に金銭に余裕があると思われているようです。何年も詐欺については言及され続けていますが、どうして被害は増えてしまうのでしょうか?それはオレオレ詐欺のやり方も変わってきているからです。
最近ではキャッシュカードにまつわる詐欺が増えているようです。電話でキャッシュカードについて聞かれたら全部詐欺だと思った方が良いようです。警察や、百貨店や電気店などを名乗り情報を聞き出そうとする手口は様々。キャッシュカードは持っていないと言ってしまうのが1番だそうです。また一人暮らしであるということは言わないこと。家族が沢山いるようなそぶりを見せることが被害にあわない大事なポイントとなるようです。中には玄関に置いてある靴の数や傘の本数で確認されてしまうことも。複数置いておくことが必要ですね。洗濯物も外から判断されてしまうので色々なものを干すことが重要です。 とても恐ろしいことにポイントカードの個人情報が流れて名簿が作成されてしまっているようです。バイトとして店の顧客情報を入手し詐欺の業者へ売る人たちもいるそうです。電話番号しか分からない場合でも郵便局や宅配業者を名乗って住所を聞いてくる手口もあるそうです。「雨で濡れて住所が見えない。」など言われたら、どこからのどういう荷物か尋ねたり、自分から営業所に取りに行くと伝えるなどの対策をとりましょう。
最近増えているのがリサイクルショップを偽り、不用品がないか、無料で引き取りますというのも詐欺だったりするそうです。家に招いてしまうのは危険なので気を付けた方が良いですね。
架空請求のハガキや還付金の連絡が来ていたりしませんか?指定日までに連絡しないと裁判になるという文言がかかれていたり、わざと難しい言葉で意味不明な文章で構成されていたりします。世田谷区内だけでも何万通と届いているようです。記載されている電話番号に連絡しないよう注意しましょう。
緊急の時は110番を利用し、何か不審なことがあったときは、通話料金はかかりますが相談受けてくれる#911を利用するのも大切です。増加し続ける詐欺に騙されないように細心の注意を払っていきましょう。


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2018.10.31

高齢者の住まい講座

~最新の老人ホームまるわかり~
講師:介護施設研究所  斉藤 弘毅 氏


世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回は太子堂あんしんすこやかセンターさんと合同で開催いたしました。
入居先を探す際に皆さん良く口にするのが「私にぴったりなところ」と希望するそうです。しかし、自分にぴったりというのは自宅を指す言葉に値するようです。年を重ねるにつれ、自分の家に居続けることが難しくなるのが現実です。では、どのタイミングで入居を検討するべきなのでしょうか?普段の生活に不自由を感じ始めたら、まずは在宅で介護保険を利用してみたり、あんすこさんに相談をしてみること。そうした生活の中で、認知症症状と夜間のトイレ介護が必要になってきたら入居を考える時なようです。介護は距離を空けた方が対応する家族が優しく接することが出来ることもあり、本人よりも介護をする周りの人の気持ちや疲れを考慮して検討すると良いそうです。75歳を過ぎると、新しい環境に慣れづらくなり人間関係が作りにくくなるそうです。入り時を検討するには平均年齢を聞いてみるのも良いです。

続いて、代表的な高齢者向け施設の種類を説明していただきました。特別養護老人ホームは入居金は0円ですが、介護度が3以上でないと入れません。都内では200、300人待ちで数年の待機が必要になる場合が多いです。あきる野や青梅の方であれば空きがあり待たずに入所も可能なようですが、そういった所はヘルパーさん不足が問題だったりするようです。介護老人保健施設はリハビリを中心に行う施設で、滞在期間も3か月程度の在宅復帰を目的とする場所です。グループホームは要支援2からとなり、認知症と認められた方が対象となっています。有料老人ホームは世田谷区は日本一の激戦区で、料金が高いそうです。有料老人ホームは介護型と自立型、住宅型に分類されます。入居金は住宅型、介護型、自立型と徐々に高額になるようです。

老人ホームの基礎知識として、老人ホームは病院ではない。医療保険は治療する、介護保険は生活のお手伝いをする保険という違いを理解する必要があるとおっしゃっていました。入院した時の対応は各ホームによって異なるため、料金の返還やお見舞いの回数、居室の取り置きの件など確認しておくべきだそうです。お看取りの実績面についても、数字で具体的に質問をすることが重要なようです。外出回数や、リハビリの回数、週何回か?1回何分か?という確認の仕方が良いようです。 入居金(前払い金)の返還制度についても教えていただきました。初期償却率と償却期間を設定して、その期間内に退去した場合は未償却部分が返還される制度です。年齢によっては若いと料金を割り増しされる場合もあるそうで、75歳未満と95歳以上で料金が変動する可能性ありなようです。
自分が良いと考えるホームは?自分の中でイメージを固めて、自分の物差しをつくることがポイントです。実際に見学に行く際には見学する時間が重要で、11時から13時の食前食後のヘルパーさんの動きを見たり、14時から16時のレクリエーション中の入居者の表情をチェックしてみてください。数多くすると混乱を招くため、1日2件程度の見学で良いようです。建物ばかりを見るのではなく、介護スタッフの表情が判断基準の重要項目だそうです。多くのポイントを教えていただき、座席も満員御礼でとても実りのある講座でした。


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2018.08.29

額にシワの寄らない老いじたく

~お寺を身近な親戚代わりに~
講師:ファイナンシャルプランナー/行政書士/葬祭カウンセラー  勝 桂子 氏


世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
前回に引き続き、勝先生に講演を行なって頂きました。今回のテーマは老いじたく。老後に備えていくなかでのお寺との向き合い方を学びました。平均寿命と健康寿命(日常生活に制限のない期間)を比較した際、15年ほどの差があると試算するべきだそうです。その期間を有意義に過ごすため、おひとりさまの老後資金は一体いくらぐらいかかるか想像つきますか?
お金で外注をする想定の場合。例えば独居困難で施設入居するのであれば、入居費や介護・病院代、死後事務一括費用などトータル約5000万円必要になるようです。反対に施設には入居せず、知人や隣室や自宅をシェアなど行なった場合はトータル約1500万円で済むようです。施設の入居費がかからないことや、入居後の不足金を心配しなくて良いことが大きいようです。元気なうちから頼める人を周りに作っておくと節約になると勝さんはおっしゃっていました。
財産分与のことなどで揉めないように、老後に備えて検討すべき契約として「公正証書遺言・任意後見契約or 家族信託・尊厳死宣言書・死後事務任意契約」が挙げられていました。これらのことも元気なうちにエンディングノートに記載しておくと、後に家庭裁判所に見せられて良いでしょうと提案されていました。
この世から自分自身が居なくなった後のことを考えたことがあるでしょうか?誰が遺骨を納骨堂まで運んでくれるのか、ライフラインの解約はどうなるのか、遺品整理は一体誰が…?そうした死後事務を頼める相手を作ることが必要であり、そう成りえるのはNPOなどの公益法人や、旧友、墓友、遠縁の甥や姪、そして宗教法人など様々な選択肢があります。いずれも「信頼できる縁」を紡ぐことが重要であると主張されていました。死後事務の受け皿としてのナンバーワン候補はNPOや公益法人だそうです。メリットとしては24時間対応な点や大半は傾聴のスキルがあり、信頼を築けます。しかし、経費がかさむ部分もあり、預けた財を人件費や事務所維持費に費やされる可能性、将来どんな供養をされるのか不明という心配もあります。その点、お寺と供養を組み込ませれば柔軟性があり、尚且つリーズナブルに行なうことが出来ます。また、お寺を語らいの場として活用することも良いようです。お寺でヨガや太極拳、書のパフォーマンスや精進料理を楽しめるところもありますし、同じ病気や悩みを持った人のわかちあいの会を行なっているところもあるようです。そのようにお寺を居場所にすることで、法律手続きや供養のことも安心して聞けますし、病気や辛いことについて話せるご縁を築くことも出来ますね。人の縁を紡ぐことが老後生活に大切であると改めて学びました。


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2018.07.25

スマートな隠居のすすめ

~好々爺&キュートなおばあちゃんになりましょう~
講師:ファイナンシャルプランナー/行政書士/葬祭カウンセラー  勝 桂子 氏


世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
可愛いおじいちゃん、おばあちゃんで余生を過ごす。これは、誰しもが憧れる姿だと思います。しかし、決して簡単なことではありません。にこにこした余生を過ごすために、今回の講座ではスマートな隠居について学びました。
隠居とは人生の最後の数年間、あの世での生きたかを考える時間(人生哲学・倫理)であるとされています。その最後の数年にはお寺との関係、お墓問題は避けられません。葬儀に関しても、昔と今では様々な場面が異なってきています。自宅で亡くなる人より、病院で亡くなる人が増加したことで、葬儀の主導権もお寺から葬儀社へと移り変わっているようです。病院では霊安室で保管された後、速やかに葬儀社に引き取って貰う流れとなり、その際に病院と提携している葬儀社を紹介され、ご自宅に戻ることなく、葬儀屋の霊安室へと保管という流れになり易いとご説明されました。そうした流れになってしまうことに関してはマンションやアパート暮らしが増え、ご遺体の置き場がなかったり、棺を持って自宅に上がることが難しくなってしまったことも原因のようです。このような場合に備えて、出来るだけ早く事前に葬儀社を決めておくことを勧めていらっしゃいました。宗派の関係などもありますし、お寺を後回しにしたり、事後報告となったりは宜しくないようです。
葬祭も多様になり自身のニーズにあった選択を行えるようになりました。樹木葬や桜葬、散骨も近年では耳にするようになりましたね。ゆうパック送骨というものもあるようです。その場合、運営母体は確かなものを選ぶ必要があるようです。いつも肌身離さず置いておきたい場合は、手元供養という方法もあります。身近で手軽にいつでも個人を思い出したいという方に合っています。また、搬送式納骨堂は天候や渋滞を気にせず、足腰が弱くなってもお参りできるという利点があります。自分や家族にとってどのような形式が良いのか今のうちから考えておくのも良いかもしれません。
余生を過ごすにあたって、幼少期のことをなるべく思い出した方が良いと勝さんはおっしゃっていました。少年少女時代の楽しかった記憶をよみがえらせ、おしゃべりをする。実際、日本回想療法学会で10歳~15歳までの記憶の消失率を見比べてみると、幼少期の記憶が少ないほど要介護度が高くなっているというデータが出ているそうです。友人と楽しく昔話をしながら、朗らかな余生を送っていけたら幸せですよね。


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2018.06.20

髪もお手入れでこんなに素敵になります

講師:(株)まるこぽっち 平澤 惠 氏

世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回は平澤さんを始め、4名のスタッフの方々に来て頂きました。
まずは、ドライシャンプーのご説明からして頂きました。ドライシャンプーとはミストタイプ、泡タイプ、パウダーと形状は様々ですが、使用後の水洗いが不要なものです。体調が悪いときや入浴できないときに頭皮の汚れを取ることが出来る手法です。中には全身に使えるタイプもあるようです。水による洗い流しを必要とせず、簡単に頭皮を清潔に保つことが出来ることから、震災での長期断水の際に注目されたこともあるようです。水が使えないときでも頭皮の汚れを取り、気持ちがスッキリするのは良いことですよね。女性だけでなく、男性の方も喜んでいらっしゃいました。

次に実際にブラシを使用してブラッシング方法について教えて頂きました。毎日、シャンプー前に頭の中心に向かってブラッシングをすることで抜け毛予防、艶のある髪に仕上がるそうです。理想は100回ブラッシングを行なうことだとおっしゃっていました。ブラシにも種類があり、まるこぽっちさんから竹ピンブラシというものをお持ち頂きました。天然の竹は静電気が起きにくく、髪をいたわってくれます。さらに、尖端が丸くなっているため頭皮を軽く刺激してマッサージをすることも可能です。生え際から頭頂部に向かって頭皮を持ち上げる様にブラッシングすることでリフトアップにも効果的だと教えて頂きました。また、頭皮のタイプによっても方法を変える必要があるようで、堅い頭皮の方は細かくブラシを動かしてマッサージすると柔らかい頭皮に近づけるようです。逆に乾燥気味の方は激しいマッサージは避けて、優しくすると良い様です。

続いてシャンプー後に行なうマッサージ方について学びました。自分の指の腹を使って刺激していく方法です。頭頂部に向かって、こめかみや耳の後ろから手を動かし、揉みほぐしていくことで気持ちもとてもリラックスしました。首の付け根の3カ所のツボも教えて頂きました。頭がスッキリするだけでなく、眼の開きも良くなりました。

最後は普段の自分と雰囲気を変えてみましょうと言うことで、参加者の方の髪の分け目をひとりひとりスタッフの方に変えて頂きました。分け目によって優しく見える方向と、きりっとした方向に分かれるそうです。さらに前髪を下ろすと可愛らしい印象、分けると大人っぽい印象になるということでした。皆さんいつもと違う姿に変身されてとても新鮮でした。時にはいつもと違う自分を楽しむのも良いかもしれませんね。

毎日のお手入れに時間を掛けることで健康的な頭皮と艶のある髪の毛を手に入れる大切さを学ぶことが出来ました。艶のある髪は若々しく見られるポイントでもあるようなので、日々気を遣っていきたいですね。


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2018.05.30

福祉用具を身近なものに

~住み慣れた地域で長く生活する大切さ~ 今からでも遅くない福祉用具の使い方
講師:(株)アイランドケア モモ・トータルケアサービス  遠藤 勇樹 氏

世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回で4回目となるモモ・トータルケアサービスの遠藤さんの講演でした。毎回、いろんな福祉用具を実際に見せて頂けるので今回はどのような講演をしていただけるのか心待ちにしていました。
まずは福祉用具の役割についてお話しして頂きました。日頃の生活に不便を感じたり、出来なくなってしまったことがあってから福祉用具の依頼を受けることが多いようですが、その前に使用することを遠藤さんは望まれていらっしゃいました。出来ることを増やしてくれる用具というイメージを持って欲しいそうです。対処でなく予防対策として利用したいですね。
現代では自宅での看取りを希望する方も多く、福祉用具産業も年々需要が増しているようです。そうした中で、様々な会社が存在し、選択の幅も広がっているそうです。どのような用具が良いのか、悩んだときに頼れるのが福祉用具専門相談員です。福祉用具専門相談員とは50時間のカリキュラムを受講し、筆記試験をクリアすると取得できる資格で、現在は全国で20万人ほどの方がいらっしゃるようです。依頼を受けてから、個人の状態にあった用具を提供するために、時には病院まで足を運んで依頼者の状況を把握するそうです。たとえ手すり1本に対しても色んな人が関わっていることを知って欲しいと遠藤さんはおっしゃっていました。
後半では、介護ロボットについての会場の皆さんと一緒に考えながらお話ししました。技術も進み、だいぶ身近な物になってきたようです。介護ロボットは6種類に分類され、その中でも見守りコミュニケーションは今後重要視されそうです。将来的にロボットに介護されることもあり得ることかもしれませんが、会場ではまだ人間に介護して貰いたいという意見が圧倒的に多かったです。皆さんはいかがでしょうか?
今回は採尿器とモーター付き歩行器の2つを実際にお持ち頂きました。歩行器は上り坂では加速し、下り坂ではブレーキが効く造りとなっていました。転倒しかけたり、異常がある場合はサイレンとアナウンスでお知らせもしてくれます。コンパクトに折り畳むことや、自身が腰掛けるスペースもありました。普段、杖や歩行器を使われている方にも前に出て使用して頂きました。今でも充分な機能に感じますが、まだ出来上がり初段階ということもあり、さらに開発された良いものが出てくる見込みだそうです。遠藤さんも介護ロボットの進化には展示会に行く度に驚かれるそうです。厚生労働省で「介護ロボット開発・普及推進室」が設置されたこともあり、今後の発展に期待が高まりますね。


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2018.04.25

妻は認知症

講師:山口 博 氏
世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
足元の悪いなか参加していただいた皆様、ありがとうございました。 今回は「月のはなかふぇ」常連さんである山口さんに、認知症の奥様のお話をしていただきました。
長年連れ添っている年下の奥様の異変に気付き始めたときのことや、認知症が判明してからのエピソード。やはり、食事の面や排せつの面では大変苦労をされたようです。食後のケアとしての歯磨きもネックになっていたようです。部分的に歯が残っているため歯磨きが難しく、総入れ歯の方が楽だったのでは?と感じたそうです。
パソコンが得意である山口さんは、日々の奥様の発言や家庭での状況をデータとしてまとめてショートステイ先にその都度提出されていました。 山口さんの熱心なサポートには参加者の方々も声をあげて驚かれていました。かふぇにご夫婦で参加された方も「うちの主人は同じように見てくれるのかしら?」なんてこともおっしゃっていました。奥様の性格も元々控えめで穏やかな方でいらっしゃったようですが、山口さんの優しい暖かい接し方のおかげで認知症になった後もそのまま変わらなかったそうです。「怒られて伸びる人なんていない」まさにその通りですよね。
施設に入所する際にも山口さんの奮闘は続きます。有名な施設の見学に行ったところ、評判通り設備は良かったものの唯一受付の対応に納得できず、そこには入所されなかったそうです。周りの評判を聞いてみること、実際に自ら足を運んでみることは大切であるとおっしゃっていました。そして、地域包括支援センターの活用も勧めていらっしゃいました。当クリニックでもあんしんすこやかセンターを利用されている方々が多数いらっしゃいます。
今では週に1回施設へ面会に行かれています。入所の際に、奥様の住所を移すことを促されたようです。「しかし、私は移しませんでした。だから未だに妻の郵便物がうちに届くのですよ。」とおっしゃった山口さんのお顔がとても印象的でした。
貴重なお話を聞かせていただき感謝申し上げます。


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2018.03.28

住まいの力が支えるからだと心

講師:NPO法人 高齢社会の住まいをつくる会理事二級建築士  福祉住環境コーディネーター 市瀬 敬子 氏
世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回は自宅で安心して暮らし続けるためにという内容で講演をしていただきました。高齢期をどこで過ごしたいですか?という質問に8割の方が「自宅で過ごしたい」と答えるそうです。しかし、いつも何気なく過ごしている家の中にも多くの危険が潜んでいます。年齢を重ねるにつれ、交通事故よりも家庭内事故のケースが増えていることが実際にデータで証明されています。これにはカラダの変化との関わりが大きいようです。カラダの変化とは「感覚の変化・運動面の変化・内臓の変化・精神面の変化」が挙げられています。カラダの変化と向き合いながら安心して生活するには住まいの整備が必要となってきます。
まずは住まいと生活のチェックシートで現在の住まい環境を確認してみましょう。いいえに該当した点には住まいの整備を考える必要性があります。住まいの整備とは、福祉用具の活用や小規模・大規模な改修を示します。今は必要性を感じない方も、将来的に気になる部分が出てくるのではないでしょうか。特に溺死・溺水は最も自宅での死因に多いため浴室の環境整備は重要です。福祉用具であれば、浴室にバスグリップやバスボードの活用などがあります。改修に関しては、老人ホーム入居後、自宅に戻るときに行われるケースが例として挙げられていました。やはりプロの介助人が居て広いスペースであったところから自宅に戻るには新たに見直しが必要となるでしょう。こういった住宅改修を行う際には自分に合った改修プランをたてること、経験のある建築士・施工業者を選ぶことがポイントとなるようです。まずは最小限のことから初めて、主役である住まい手の意見を尊重するべきであると市瀬氏はおっしゃっていました。本人と家族の希望に沿った改修が行われることが大切です。
また、住まいの整備を支援する制度を知っておく必要もあります。介護保険による住宅費改修費の支給と福祉用具の貸与や購入費の支給があります。高齢者住宅改修費の助成制度で予防改修や設備改修も受けられます。抱え込まず、地域包括支援センターや総合支所保健福祉課に相談してみると安心です。住まいが充実すれば、暮らしも気持ちも豊かになりますよね。極力、介護が必要となる前に住まいの整備について考えてみてはいかがでしょうか。


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2018.02.28

歯はなが~いお友達!(目指せPPK!)

講師:大楽歯科医院 院長 大楽 明広 氏
世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
「目指せ、PPK!」このような出だしで今回の講演は始まりました。PPKとはピンピンコロリの略称で、病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝付かずに人生を終えることを意味します。そういった最後を望む方は多いのではないでしょうか?
口は健康との関わりが深く、機能としても「食べる・笑う・呼吸・表情・均衡」と私たちの日常生活に欠かせません。歯が原因で全身の病気になってしまうケースもあります。PPKを目指すためにはいかに口腔ケアが大切であることを教えていただきました。
まず全ての基本である「食」を満たすためにはしっかり噛める歯であることが必要です。理想は自身の歯を保つことですが、場合によってはインプラントに変えてしまった方が良かったりすることもあるようです。また、無理に歯を残さないでダメな歯は抜くことも必要なようです。電動歯ブラシを上手に活用することや75歳を目安にお世話しやすい口の状態に保つことを勧めていらっしゃいました。
老化とともに、噛めない・飲み込めない・唾液が減るといった現象が現れます。これらを防ぐためにはパタカラ体操や唾液腺マッサージの習慣化が有効であると知りました。具体的な毎日のケアのカギを教えていただきました。
・鉛筆持ちで角度を変えながら1か所に10回程度のブラッシング。
・歯垢は菌の繁殖の元になるため歯間ブラシでのケア。
・舌には歯ブラシを使用せず、舌専用のブラシを使用すること。
・市販のフッ素配合歯磨き粉を選ぶ際には濃度に注目。
(現在、市販は1450ppmが高く、歯科医院では9000ppm程度が使用されています。)
大楽歯科医院さんでは院内で実際にどのような指導をされているのか動画も拝見させていただきました。直接、自身の磨き方の癖を見ていただいたり、正しいブラッシング方法を教えていただけることは安心ですね。毎日の細かい積み重ねと定期的なメンテナンスを組み合わせてなが~いお友達と仲良くしていきたいですね。


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2018.01.31

聞こえについて

講師:ニュージャパンヒヤリングエイド株式会社  部長 山内 定基 氏
世田谷区三軒茶屋 内科・禁煙外来 樹のはなクリニック 「月のはなかふぇ」
今回は補聴器メーカーにお勤めの山内さんに聞こえについてお話していただきました。聴力は日常生活を送る中で重要な役割を果たしています。 耳が聞こえにくくなることにはいくつかの原因があります。その中に老人性難聴があります。これは自然現象であるため誰にでも起きてしまうものです。有毛細胞の損傷とも関係があります。残念ながら現代の医療では有毛細胞の再生は不可能であるようです。
そこで補聴器の出番です。文字通り、聴力を補ってくれるものです。補聴器を作る際のポイントとしては認定補聴器技能者の方がいる認定店を選ぶことだそうです。国内では4000名の方が認定されているようです。現状の聞こえについて把握することはとても大切であり、そのために聴力測定が行われます。会場でも皆で受けられる聴力検査を行いました。やはり個人差があり、それぞれに合った物を作る必要性を実感しました。
しかし、他国と比べて日本での補聴器普及率は低く、さらに満足度も低いようです。実際、購入しても使用していないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?補聴器は買ってからの付き合いが大切であると山内さんは強調されていました。慣れるまでに半年、進行度をチェックしながら再調整をすること。使い続けられない場合にはなぜそうなのかの理由をフィードバックすること。個々の環境に合わせて使用していくことが長く使い続けるコツのようです。 難聴を放置することは認知症やうつ病との関係性があると医学的にも認められています。よく聞こえないことで会話に誤解を招いてしまったり、家族と疎遠になってしまうケースもあります。機械に頼ることも良いですが、「人間の機能は使わないと退化してしまう。」山内さんのお言葉、まさにその通りだと感じました。1日1時間以上の会話をするだけでも違うようなので、積極的に自らの機能を生かしたいですね。


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診療時間
9:00~13:00



15:00~18:00 -
18:00~19:00 - - - -

月曜日はしばらくの間、夜7時までに短縮させていただきます。

診療受付開始は、診察時間の30分前からになります。

診療受付終了は、診察時間の15分前までになります。

休診日
水曜、土曜午後、日曜 / 祝日
住所
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂2-26-2 サルース太子橋 1F
TEL FAX
TEL:03-5433-3388  FAX:03-5433-3389
交通アクセス
東急田園都市線「三軒茶屋駅」より徒歩4分
東急世田谷線「三軒茶屋駅」より徒歩3分
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駐車場は、当クリニックの裏側にコインパーキングがあります。

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医療法人社団 爽樹会
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